車線変更
4年間勤めた学芸員の仕事を辞め、職場を離れることにしたと
ご報告した時、Y先生は「方向転換」だねとおっしゃいました。
その通りだと思っていました。その選択を後悔したことはなく、
存分に好きな仕事をさせてもらい、完全燃焼したと感じていました。
けれど、方向転換の先がこれでいいのかと、繰り返し尊敬する
先生の言葉を思い出していました。
今年の2月当時の職場の上司、理事長兼館長がお亡くなりになり、
お葬式の帰りに久しぶりに夜電車で移動していたら、道路を見下ろす
形になり、その時にストンと「あの時私は人生の車線変更をしたんだ」
と腑に落ちました。
そして、今わたしが向かうのは、アカデミックな柳宗悦研究ではなく、
柳宗悦の言葉を伝えること、そして今の生活をしっかり生きることです。