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study of Soetsu Yanagi

ひさしぶりに

長い空白を経て、今日は翻訳の代わりに文章を少し。

 

 毎日の生活の衣食住において、そして、そこで使っている様々な品物ができるまでの過程において、手を使う仕事は、この100年余り間に日本でも劇的に少なくなりました。ファストフードという言葉に加え、ユニクロに代表されるような大量生産によるコストダウンは、ファストファッションという言葉も生み出しました。住まいについても、ツーバイフォー工法など一軒の家が短期間で完成するご時世となっています。しかし、だからと言って手織りの布や炭火の焼き魚や箒がけをすることが、絶滅したわけではありません。むしろ、それらの行為には、あえてそういう選択をするという趣向が、より明確に意味付けがなされているとも言えます。

 柳宗悦が活躍した時代も、半世紀ほど前のことです。この100年のうちに含まれます。「民藝」という言葉も、時代とともに意味を広げ、改めて定義し直すことよりも、現在の暮らしの中で、手仕事をどのように存続させることができるのかと考えた時、柳宗悦たちの言動から学べることが、たくさんあると思います。

 

 これから『心偈』の翻訳とともに、小さな考察についてもupしてみたいと思います。